変形性膝関節症とは、体重や加齢などの影響から膝の軟骨がすりへり、膝に強い痛み(内側が多い)を生じるようになる病気です。
膝は体重負担が大きくかかる部位であり、変形性膝関節症の発症を防ぐためには体重を増やしすぎないようにコントロールすることが重要です。
膝周囲の筋力をしっかりと保持することも、膝への負担を軽減させるために有効だと考えられています。
女性に発生することが多く、病状が進行すると歩行が困難になることもあり、そのような場合には人工関節を埋め込む外科手術も検討されます。
しかし、肥満や筋力低下なども関与する疾患ですので、初期段階であれば 運動や食事など、『生活習慣の改善』で進行を抑えることも可能です。
誤解されやすいのは、軟骨がすり減る時に痛みが出るわけではないということです。これは、軟骨には神経が走っていない為です。
実際、画像診断上は重度の変形であるにも関わらず、痛み無く運動や正座が出来る高齢女性も結構います。
変形性膝関節症における痛みの直接の原因は、『関節包の炎症』です。
具体的には、軟骨がすり減ることで生じる細かな粒(削りカス)が、滑膜(関節包の内側)をチクチクと刺激し、関節包に炎症を起こす。
関節包には知覚神経が張り巡らされている為、炎症で腫れ・硬くなった関節包が引き伸ばされると激痛が起こる。
これが、痛みの原因です。
メカニズムを整理すると、
・軟骨への過剰な負担
↓
・軟骨が摩耗する
↓
・軟骨の分解物による滑膜の炎症
↓
・脹れや痛み
となります。
残念ながら、手技療法・徒手整復では、関節の変形そのものを治すことは出来ません。重度の方の場合は、人工関節を埋め込む外科手術も検討されます。
関節が元通りに治るかのような、「魅力的 しかし非科学的な説明」をする悪質な民間療法には、ご注意ください。
しかし、治癒とは必ずしも損傷組織を元通りにすることではありません。
痛みがなく、普段どおりに生活できることを『機能的治癒』と言います。
加齢を基盤にした関節などの障害の場合、『組織学的治癒』ではなく『機能的治癒』を目的として リハビリテーションを行います。
炎症による『関節包の硬さ』を改善すると、変形性膝関節症の痛みは解消されるのです。
これは、硬くなった関節の可動域を改善する目的で生まれた『関節モビリゼーション(モビライゼーション)』や『関節運動学的アプローチ(AKA-博田法)』など、理学療法の手技療法(マニピュレーション:手で操縦する)を受けると、慢性痛まで改善する人が出る理由の一つと言えるでしょう。
膝と周囲の軟部組織を ほぐすには、鍼灸も有効です。
当院は鍼灸など、現代医学と異なるアプローチ法も『代替補完療法』として有していますが、「科学的根拠(エビデンス)に基づく医療」を目指す現代医学と明らかに相反する民間療法、医師に見られて困る怪しい施術は行っておりません。
安心して ご利用下さい。
適応症状の鑑別例
捻挫、打撲、挫傷(肉離れ)
こむら返り
肩こり、首凝り(頚肩腕症候群)
四十肩、五十肩
寝違い、寝違え
鞭打ち(むちうち)
頸椎ヘルニア
腰痛症
慢性腰痛(筋筋膜性腰痛)
急性腰痛(ぎっくり腰)
腰椎椎間板ヘルニア
脊柱管狭窄症
脊椎分離症・すべり症
坐骨神経痛
膝痛(ひざ痛)
変形性膝関節症
脊柱側弯症、猫背、巻き肩、ストレートネック矯正
頭痛
緊張型頭痛(筋緊張性頭痛)、片頭痛(偏頭痛)、群発頭痛
眼精疲労