日本人は 腰痛で悩んでいる方が多く、一生のうちに腰痛を体験する人は8割であるという報告もあります。
ずっと同じ姿勢で立ち続けたり、パソコン作業で座りっぱなしという状態は良くありません。
同じ姿勢を維持するためには、身体を支えている筋肉に力を入れ続けないといけないからです。
この筋緊張が慢性化すると、腰の筋肉が疲労して固くなり、腰痛を悪化させてしまいます。
ちなみに、『腰痛』ないし『腰痛症』とは病名ではありません。
「腰の痛み」ですから 疾患名ではなく、疾患に伴う症状名です。
・「腰椎椎間板ヘルニアによる腰痛」
・「脊柱管狭窄症による腰痛症」
と いった具合ですね。
腰痛の原因は無数にあるので、『手技療法』の適応疾患である腰痛症と、適応外の腰痛症が混在しています。
( 恥ずかし気もなく、何でもかんでも腰痛を治せるような広告をする、悪質かつ不勉強な民間療法にはご注意下さい )
さて、それでも腰痛症を大枠で分類すると 3種類に分かれます。
1、スポーツや事故などで痛めて起きる外傷性腰痛
2、姿勢の癖や、骨・関節の加齢変形による筋肉負担や神経圧迫で生じる慢性腰痛
3、病気(内蔵疾患を含む)や、精神ストレスから来る腰痛
このうちの『3』が結構多く、整形外科の画像診断で診断名がつく腰痛は15%で、85%は原因不明(画像診断上は問題が見られない『非特異的腰痛』)と言われています。
そこで、最先端医療では診療科目の壁を取り払う『リエゾン診療』が行われる様になってきました。
(『リエゾン』とは、フランス語で『連携』を意味する言葉)
この連携には内科・心療内科だけでなく、リハビリテーション科も貢献できます。
安静固定期間に筋力や関節可動域が低下した外傷性腰痛に対する『機能訓練』だけでなく、『関節モビライゼーション』や『筋膜リリース』は、姿勢改善の効果もあるので慢性腰痛にも有効です。
そして、『3、病気(内蔵疾患を含む)や、精神ストレスから来る腰痛』にも一定の鎮痛効果が望めます。
人が自身の痛いところを無意識に触ったり、さすったりするのは鎮痛効果がある為だと言われています。
脳に伝わる『痛覚情報』を『触覚情報』で上書きすることで、実際に感じる痛みが軽減されます。
これは他者に、さすられた場合も同様です。
腰痛症に鍼灸が有効なのも、上記が関係しています。
マッサージでは指が届かない深層の筋肉まで刺鍼して緊張を緩め、神経興奮を落ち着かせるのも鍼の鎮痛作用ですが、刺鍼で感じる『響き』や お灸の『熱』などを与えることで、元の痛みが軽減するという面もあります。
また 理学療法の『マニピュレーション(手で操作する)』は、気持ちの良いマッサージ的な側面もありますので、リラックスによる精神ストレス緩和の効果も期待できます。
そして、筋緊張を ほぐすだけでなく、姿勢を整える技法が やはり大事です。
腰痛の中でも、ぎっくり腰はクセになりやすいと言われます。
正確には『癖になる』のではなく、『ぎっくり腰になりやすい生活習慣をしているから』です。
腰痛は年齢と共に現れる傾向がありますが、姿勢など生活習慣の蓄積が大いに関係しています。
腰に負担がかかる姿勢が癖になることで、ぎっくり腰や 慢性腰痛の原因となります。
当院では、瞬発的な強い外力を加える矯正ではなく、持続圧を反復的に加えることで動きの悪い関節を緩める『関節モビライゼーション』や、筋緊張と姿勢の両方にアプローチする『筋膜リリース』『ストレッチ連動型矯正』を取り入れた手技療法を行なっています。
「痛みを伴う強い圧をかける」「急激にひねる」などの危険な行為はしておりませんので、妊娠中や高齢の方まで安心して受けられます。
強い痛みが出ている方でも、無理のない姿勢から緩めていきますので安心してお越しください。
適応症状の鑑別例
捻挫、打撲、挫傷(肉離れ)
こむら返り
肩こり、首凝り(頚肩腕症候群)
四十肩、五十肩
寝違い、寝違え
鞭打ち(むちうち)
頸椎ヘルニア
腰痛症
慢性腰痛(筋筋膜性腰痛)
急性腰痛(ぎっくり腰)
腰椎椎間板ヘルニア
脊柱管狭窄症
脊椎分離症・すべり症
坐骨神経痛
膝痛(ひざ痛)
変形性膝関節症
脊柱側弯症、猫背、巻き肩、ストレートネック矯正
頭痛
緊張型頭痛(筋緊張性頭痛)、片頭痛(偏頭痛)、群発頭痛
眼精疲労