鍼灸院とは、厚生労働大臣が認定する国家資格を取得した『はり師』『きゅう師』が、体調不良を抱える患者さんに治療をする施設です。
はり師・きゅう師は、金属針や温熱の刺激を用いて身体に点在するツボ(経穴:けいけつ)を刺激することで、気・血・津液(き・けつ・しんえき)の乱れや滞りを改善し、痛みや凝りの症状を緩和します。
人間の自然治癒力を高めるスペシャリストであり、健康保険の取り扱いもできる専門職です。
鍼灸術とは
中国で発祥し、日本を含む周辺地域で発展した歴史ある医療技術です。
身体のツボ(経穴)を金属針や温熱を使って刺激することで、肩こり、腰痛、頭痛、生理痛、慢性疾患などの治療を行います。
1979年にはWHO(世界保健機関)が、治療の適応症として、運動器疾患、消化器系、呼吸器系、代謝分泌系などの疾患を認めています。
しかし、日本では、明治維新後の西欧医学の導入により医療職から除外さた歴史があります。
鍼灸は、按摩(あんま)・マッサージ・指圧と同じく、慰安業として残されましたが、第二次世界大戦後には、GHQが「非科学的で不潔である」として禁止しようとしました。
これに対して当時の厚生省は、業界や視覚障害者の声を受けて、
・「医業の一部として治療行為を許可する」
・「教育を高度化させ、国家試験を実施する」
と、昭和22年に答申しています。
平成4年には免許証発行が都道府県知事から厚生労働大臣へ移管され、国家資格として生まれ変わりました。
今日では衛生的で、科学的なアプローチもする治療法となっています。
鍼灸と科学
まだまだ完全に解明されていませんが、少しづつ鍼灸の科学的効果が証明されてきました。
近年では、医科大学・鍼灸大学や鍼灸短期大学・医療機関等で各種の実験研究が行われ、論文が発表されています。
総合的には、鍼灸刺激が自律神経系、内分泌系、免疫系等に作用して、その結果として中枢性及び反射性の筋緊張の緩和、血液やリンパ液循環の改善等の作用があり、生体の恒常性(病気を自然に回復させる作用)に働きかけるのではないかと考えられています。
保険治療
医師による同意書があれば、鍼灸は健康保険が適応されます。保険で治療ができるのは、
『神経痛・リウマチ・頚腕症候群(肩こり等)・五十肩・腰痛症・頸椎捻挫後遺症(むち打ち)』
の、6疾患です。
1、当院で「鍼灸治療の同意」用紙を入手する
2、医師の診察を受けて同意書にサインを貰う
3、同意書・保険証・判子を持って いらして下さい
4、治療開始です
その後は、6ヵ月毎の同意で継続して治療が受けられます。
※ 当院は、業務範囲の遵守と、医師への敬意・連携を尊重しながら、治療を行なっております。
もちろん自費での施術も可能です。その場合は、「医師の同意書」や「印鑑」等は必要ありません。肩周り、腰周りなど一部位で1500円を頂戴いたします。
(ある程度広い範囲の施術だと3000円、自律神経失調症や美容鍼灸など全身の施術で5000円が目安です)