私は、『経絡』と 電気の流れやすい『電導点』が そこそこ一致している事、『経穴』と 局所麻酔薬が よく効く 『トリガーポイント』は かなり一致している事を話しました。
しかし それだけでは、”気”の全てを説明できないわけです。
これは、現代ほど科学が発達していなかった時代に、複数の要素を”気”という概念で理解していたからだと思います。
そんな”気”の構成要素の一つを、【『気のせい』=『”気”の力』】と定義するならば、
「”気”の力、即ち プラシーボ効果も経絡医学は大事にしている」
と、言えるでしょう。
実際には、経穴への物理刺激による効果と プラシーボ効果の相乗作用が鍼灸の効果かと思います。
鍼灸を全否定する学者の論拠になっているのは、
「被験者を2グループへ分け、一方には経穴に鍼を打ち、一方には経穴を故意に外して鍼を打ったところ、両グループの効果は誤差レベルであった。故に、鍼灸には プラシーボ効果以上の効果は見られない」
という具体的な データを添えた批判論文です。
しかし これ、実は突っ込みどころが満載でして・・・
私が 鍼灸科の生徒時代の話なのですが、入学早々に学科の授業で衝撃を受けました。
「経穴は点ではなくて面、500円玉くらいの広さで有効なので、多少 場所がズレても問題がない」
と、教諭に習ったんです。
「え! そうなの!!?」
と、個人的に衝撃だったので、いまだに覚えています。
経穴は1989年のWHO基準で、左右の半身だけで経絡上に361穴、奇穴も250穴あります。1穴ずつが500円大範囲の有効性を持つならば、鍼を刺せる箇所なら適当に打っても どれかの経穴効果が期待できる可能性が高く、
「一方には経穴に鍼を打ち、一方には経穴を故意に外して鍼を打ったところ、両グループの効果は誤差レベルであった。」
と、得意げに主張されても
「うん そうでしょうね」
としか思いません。