今、心身症の具体例の一つに胃潰瘍を挙げたのですが、
「胃潰瘍とか十二指腸潰瘍ってピロリ菌が原因じゃないの?」
と思われた方は鋭いです。
胃は強い酸である胃酸が分泌されていますので、細菌は生息できないと考えられてきました。
しかし アルカリ性の毒素、アンモニアのバリアを張って生息する ヘリコバクター・ピロリの存在が明らかになり、近代医学の常識が引っくり返ったんですね。
ピロリ菌が居ても、心身が健康なら さほど問題ないそうです。しかしながら、精神ストレス等で免疫力が低下すると ピロリ菌の活動を抑えられなくなり、潰瘍の原因になる事もある。
つまり 胃潰瘍は、感染症も原因の一つだったという事です。
ピロリ菌は、東洋医学や ましてや民間療法では退治できません。胃腸の不快感のある方は、素直に胃腸科で専門医師の診断・指示を受けて下さい。
さて、心が誘因で身体に症状の出る心身症について お話ししましたが、逆に身体の不調が心に悪影響を及ぼす場合も多いです。
よく
「健全なる精神は健全なる肉体に宿る」
と言いますよね。
ちなみに、これは不健康な身体には健全な精神が宿らないという意味ではないですよ。
元々は、古代ローマの風刺詩人 ユベナリスの詩の一部で
「欲深く 多くを求めず、願うなら 心身共に健康であることぐらいにしておきなさい。」
という戒めだそうです。
ただ、「身体は心を支える」というのは本当でしょうね。
寝たきりになり、自力で お手洗いに行けないオムツ生活になったら、自分だったら自尊心が傷つき 心が折れるだろうなと今から恐怖してます。